【1】背景
1.「不登校」とひとくくりにしても、さまざまな背景があります

◆ 学校生活: いやがらせ・人間関係(友人、教師)のつまずき、部活動
◆ あそび、非行: 勉強についていけない、集団生活が窮屈
◆ 無気力: なんとなく行く気がでない
◆ がんばりすぎ: 今まで周囲の期待や自分の「ハードル」を満たせるように努力してきたが、何かにつまずいてしまい、自分がわからなくなる。完全主義や手のかからなかった子に多い
◆ 不安など情緒的混乱:  身体の不調、不安、強い緊張
◆ 積極的拒否: 学校よりも自分の好きな方向を選ぶ
◆ 家庭環境の変化: 家庭環境が大きく変わったり、家族のことを心配していると、学校に意識が向かない
◆ 発達障害: 気づきにくい、気づかれにくいため、支援を受けていないと、二次障害として不登校になることがある。
◆ 複合: 要因が複雑にからみあうことが多く、本人にも原因がわからないのです。そのため、原因をさぐっても解決しないことのほうが多いのです。

 

【2】 経過
不登校・学校復帰の経過には、個人差があります。少しずつ登校をしぶる場合もあれば、ある日突然「学校へ行かない」と宣言をして、不登校になることもあります。学校復帰のときも、少しずつ段階を踏みながら復帰するときもありますし、突然教室に戻れることもあります。

 

【3】対応の例
ご家庭でできる対応の例です。一般的な例ですので、背景や状況によって、違う対応が必要なこともあります。

1. 言葉かけ: どの時期でも、子どもが言っていることを「聴いて」あげてください。多くの子どもたちは、アドバイスよりも、自分の想いや気もちを聴いてもらい、受け止めてほしいのです。聴いてあげると、子どもが、自分のことを理解してもらえる、認めてもらっていると思えるのです。
コミュニケーションをとることと説教をすることはちがいますので、大人の意見を強く押し付けることは逆効果になります。大人も不安感やあせりが強いと、子どもに強くあたってしまうことがあります。大人の価値観をおしつけ、子どもの気持ちを無視してしまうと、不登校は長引くことがあります。何を望んでいるのか、どうしていくかを考えるのは、大人が決めるのではなく、本人の意思を尊重することがなにより大切です。
また、普段、雑談をすることも大切で、雑談の中からも、どんなことを見ているのか、聞いているのか、そして感じているのかわかることが多いです。

2. 正直に対応: 大人が何かをしてあげようと思ったら、率直に本人に話してください。どんなに隠そうとしても、子どもは敏感に感じ取ります。そして、「言ってくれなかった」分、不安が増します。

3. 思春期: 思春期において、友人はいるだけで大きな存在です。友人関係を優先させることは、心理的な親離れを示します。親との縦の関係から、友人との対等な横の関係になるため、相手が満足すれば、自分の心理的安定のはたらきかけにもなります。そして、不安や孤独を解消してくれる存在になります。

4. 一人で悩まないでください。だれか相談できる人がいれば、その方に相談しましょう。

 

【4】心理カウンセリング 想月では、こんな対応をします。
子どもによって、対応は違います。初回面談の際に詳しい話を伺い、一緒に方針を決めていきます。

 

ご本人には・・・
●プレイ・セラピー(遊戯療法)
プレイ・セラピーとは、まだ言語での表現が発達上むずかしかったり、抵抗感がある子どもたちに行う遊びを中心とした療法です。子どもにとって、遊びは一番の表現方法やコミュニケーション手段となります。遊びによって、今まで表現できなかった感情や経験を開放してあげ、子どもたちが再び安心できることを目的とします。
●来談者中心療法
子どもの話に耳を傾けて「聴く」療法です。子どもたちにも言いたいこと、聞いてもらいたいことはたくさんあります。第三者であるカウンセラーが、子どもの力を信じ、そして共感をもって話を「聴く」ことにより、子ども自らが気づけるようになり、大きな変化につながることがよくあります。
●行動療法
行動療法とは、望ましい行動を増やし、望ましくない行動を減らすことを目指します。まずは長期目標をたて、その目標を達成するためには何が必要か考え、小さな目標を作っていきます(スモールステップ化)。この短期目標を1つずつ達成し、ごほうびやほめることによって、自己肯定を高めることができます。不登校では、まずは学校の門まで行ってみる、門をくぐってみる、保健室に行ってみる・・・とステップを踏みながら、登校を目指します。
●認知行動療法
考え方に「ゆがみ」があるときに行います。この認知のゆがみとは、「いつも100点でなければならない」、「みんなから受け入れられ、愛されなければならない」と極端に考えてしまうことです。このような考え方があると、常に緊張状態になったり、不安感が増幅したりするため、何かでつまずいてしまうと、自分を過度に責め、「なにもできない」「自分が居てもしょうがない」と結論づけてしまいます。不登校になった子どもはこの考え方を持っていることが多いため、この偏った考え方を修正していくことを目指します。

 

保護者やご家族には・・・

●NHA(こころを育てるアプローチ)

ご家庭で、子育ての中で、お子さんにできることはたっくさんあります。NHAを学んでくださって、ご家庭で実践してくださると、カウンセリングのプロセスはぐんと早くなります。また、子育ても楽しくなってきます。

●保護者の方へのコンサルテーション
不登校の場合、保護者の方も心配になるのは当然のことです。子ども一人ひとり、ニーズは違いますので、子どもにあった解決策をご家族と一緒に探していきます。子どものことを一番よく知っている保護者の方だからこそ、一緒に協力しあうことが大切だと考えます。
また、ご家族全員で来ていただいて、普段話しにくいこと、お互いに思っていること、心配になっていることを共有することもあります。
必要があれば、カウンセラーが学校と連絡を取ったり、出張コンサルテーションに出かけることもあります。